いきなり突きつけられる現実
いきなり、私の知らない自分を突きつけられた。
誰かに言われたのではなく、自分で気がついて、
発狂しそうになっている。
私は孤独というものに異常なほど、弱い。
だが、自覚がなかったのだ。そう。今日まで、ついさっきまで。
むしろ自分は精神的には自立しているほうだと思い込んでいた。
どうしてそんなふうに思いこめたんだろう。
今、現実を知ったショックで動揺しているので凄い勢いで思いついたまま整理もせずにキーボードを叩いている。
記憶を辿ると、自分が精神的に自立していると思い込んだ(錯覚を信じた)のはこういうことだろう。
私は幼い頃からいわゆる普通の子供ではなかった。
それは普通の家庭ではなかったから当然なんだろうけど、
周りの大人に甘えることはなかったし「大人のような子供だったね」と振り返っては言われる。
保育園でも小学校でも普通ではないので他人との境は常にあって、
友達はいてもあまりベタベタしなかったし、転校するたび虐めのターゲットになりかけるものの精神的に同級生をコントロールして上手く逃れていた。
中学の時、私がクラスで仲良くしている友達が6人居た。
そしてクラスに一人とても嫌われている女子(J子)が居た。
誰もが彼女を避けていたし彼女は怒りっぽい性格だったので彼女もクラスメイトの中で孤立していた。
ところが不思議なことに、J子は私の事を気に入っていて家に遊びに来ることも多かった。
私も彼女の欠点はさほど気にならなかった。怒りっぽい性格は私の中では許容範囲内だったからだろう。そういうわけで私は嫌われ者の女子Jとも仲良くしていた。
ある日、仲良しグループが私を呼んで言った。
『私らさあ、Jのことが嫌いやねん。風花ちゃんはJと仲いいやんか。
風花ちゃん事は面白いし好きやけど、もしこれからもJと仲良くするんなら風花ちゃんと友達やめるわ。』
私はちょっと考えさせてと言って、
その日のうちに仲良しグループに宣言した。
『私さあ、みんなと一緒に居るのは楽しいよ。
けどさ、私、Jのことも嫌いじゃないの。みんなと同じくらい好きかと言われたらそれほどでもないけどさ、でも、嫌いじゃないのに避けるって、私にはできへん。
だからさ、Jと仲良くするなら私と友達やめるっていうなら凄く悲しいけど仕方ないと思う。好きなようにして。』
そう答えながらふと思った。
これ、前にもあった風景だな。
小学校1年の時のあれだ。引っ越してきたばかりの私にその時のボス(小一でもボスは居た)が「風花ちゃんとは遊ばん!」と言って5対1で喧嘩したあの時だ。
結局ボス的な女の子が風邪で休んだ時に日和見菌達は私に擦り寄ってきた。
3年、5年、と小学校は3回転校したからそのたびに良く似た経験をする。
3年の時もそうだった。
ある日突然家の近くの同級生が『お母さんが風花ちゃんと遊んだらあかんって言うからこれからは遊べへん』と言ってきた。
同時にクラスの男子の好奇心の的になり(転校生の宿命だな)カラカイが始まった。
しかし基本的に私は小学生を心からバカにしていた。
特に男子は簡単だった。今思えば男子の性格を見抜いていた。そしてコントロールした。
結果的に虐めにはならなかったし一人にもならなかった。
5年の時も同じような経験をしている。
そして中学でいま目の前に居る仲良しグループがこんな理不尽な選択を迫って来ている。自分の信念を曲げてまで一緒に居るつもりはない、と遠まわしに宣言している私が居る。
これも結果的にJと仲良くしていても友達は私を避けることはしなかった。
高校に入り、私は新興宗教に入ってしまった。
この時こそはこれまでの仲間とサヨナラする羽目になったものの、自分の信念のためならこれくらい平気だった。
家事は全て高校生の頃からやっていたし、卒業して父親が蒸発した時も母を支えた。
借金を残しての蒸発だったので危ない車で追いかけられた事もあったが命知らずだったためそういう人達とタメで話し合うこともあった。
そして数年が経ち結婚。
結婚2年目にして私はとても重いうつ病になってしまった。
それまでの色んな疲れが押し寄せてきたのかもしれない。しかし、私は頼るということも自分を労わることもできなくて鬱をこじらせてしまった。
長い長い説明だったけど、そういう経緯があるからね、
だから、夫からも友達からも親兄弟からも言われる。
風花は強い、と。
ところがだよ、ここからが今日のタイトルの本題だよ。
こんなの50年も生きていて今更知るなんてショック過ぎていつもなら11時半には寝るのに12時過ぎてもキーボード叩きまくっているよ。
夫がさ、
泊まりがけで資格を取ると言いはじめて、
もちろん二つ返事で応援したのに3泊すると聞いたとたん急に動揺して訳が分からなくなって「え・・?なんで自分動揺しているの?」と思ったら勝手に涙がぽろぽろこぼれてくる。
何でだろう?
あ、これだ!一人になるのが怖いんだ。これなんだ。
精神的に強いだなんて思った事は無いよ。凄く弱いという自覚は十分にあるよ。
だけど、精神的に自立しているとは思っていたし夫も私を知る人達もそう言っていた。
自立しているからこそ頑張り過ぎて甘えられず鬱になったのだと思っていた。
けど、これって、めちゃくちゃ依存しているじゃないか・・・。
一人が怖いなんて。なによこれ!
そんな自分にびっくりだわ。
嘘だろう私が???って、いきなり突きつけられた自分の姿に気が狂いそうだわ。
これまでずっと夫の仕事は自営でほぼ仕事場は家だった。
半日客先に行き昼からは家でコーディングというような生活をかれこれ25年は送ってきた。
その生活に慣れすぎて最近では失業していつも家に居る夫に少し息が詰まっていた。
ところが、3日家を空けると聞いただけでパニックな自分。
これって精神的に全く自立していないよね。
むしろ完璧に依存しているよね。
うわぁーー!こんなことでは私ダメだ。死んでしまう。
パニック障害を持っていて、これも医師と相談しながら一つづつクリアしてきた。
最初は一駅電車に乗るだけで高熱を出して寝込んだし失敗することもあった。
ところが市の駅まで行けるようになり他県にも、そして去年の今頃は一人で新幹線で2泊3日の旅をしたのだった。
ここまできていたのだ。
外に出ることばかり問題意識を持って頑張ってきて、一人で家に居ることは問題視したこともなかったよ。全くの想定外だったな。
怖ろしいわ自分。
どうしたらいいのか分からない。
パニック障害には留守番恐怖というのもあるらしい。それか?
大人のような子供で精神的には自立していると思い込んでいたのに、
こんな問題が潜んでいるとは思わなかったな。
どうしたらいいんだ。私はこれからどうしたらいいんだ。どこから手をつけたらいいんだ。こんなので生きていけるのか。